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通貨とステーブルコインの違いをわかりやすく解説|どちらも“お金”だけど根本が違う
「ステーブルコインって、ドルや円と同じ“通貨”じゃないの?」
──そんな疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
実は、両者は見た目こそ似ていますが、
発行する主体も、価値の保証方法も、法的な位置づけもまったく違います。
この記事では、通貨とステーブルコインの違いを、
できるだけシンプルに整理していきます。
💡 まず、「通貨」とは?
通貨とは、国や中央銀行が発行し、
法的に「価値が保証されたお金」のことです。
- 発行者:政府・中央銀行(例:日本円=日本銀行、ドル=FRB)
- 価値の根拠:国家の信用
- 法的地位:法定通貨(Legal Tender)
- 利用範囲:国内外の銀行・経済活動
つまり、通貨は「国が信頼を担保しているお金」です。
誰もが受け取る義務があり、税金や公共料金の支払いにも使えます。
🪙 一方、「ステーブルコイン」とは?
ステーブルコインは、仮想通貨の一種でありながら、
法定通貨と同じように“価格が安定”するよう設計されたデジタル資産です。
- 発行者:民間企業・DAO(分散型組織)
- 価値の根拠:ドル・円などの法定通貨、または暗号資産の担保
- 法的地位:国の法定通貨ではない(=「民間デジタルマネー」)
- 利用範囲:主に仮想通貨取引・DeFi・国際送金など
つまり、ステーブルコインは「国ではなく企業やブロックチェーンが発行する安定資産」です。
🔍 通貨とステーブルコインの違いを表で比較
| 比較項目 | 通貨(法定通貨) | ステーブルコイン |
|---|---|---|
| 発行主体 | 国・中央銀行 | 民間企業・DAO(分散型組織) |
| 価値の保証 | 国家の信用 | 担保資産(法定通貨・暗号資産) |
| 法的地位 | 法定通貨(支払い義務あり) | 暗号資産(支払い義務なし) |
| 利用範囲 | 国内外の実社会 | ブロックチェーン・仮想通貨市場 |
| 価格の安定性 | 政策・経済によって安定 | 担保・アルゴリズムで安定 |
| 例 | 日本円・ドル・ユーロ | USDT・USDC・DAI・JPYC |
📉 なぜステーブルコインが注目されているのか?
ステーブルコインが注目される理由は、
「通貨の安定性」+「仮想通貨の自由さ」を兼ね備えているからです。
- 国際送金が数分で完了(銀行を通さない)
- ドル建ての価値を維持できる(為替リスクが少ない)
- DeFiやNFTの決済手段として使える
- インフレの激しい国では、資産保全手段にもなる
⚠️ ステーブルコインには「保証リスク」もある
一方で、ステーブルコインは国家が保証するお金ではありません。
- 発行会社の破綻リスク(例:担保資産が不透明な場合)
- 規制変更リスク(各国でルール整備中)
- アルゴリズム型の崩壊リスク(TerraUSDの例など)
つまり、ステーブルコインは「便利」ですが、
“信頼の源泉”が国ではなく企業やシステムにあることを理解して使う必要があります。
🏦 参考:CBDC(中央銀行デジタル通貨)との違い
「デジタル円」「デジタルドル」などのCBDC(Central Bank Digital Currency)は、
国が発行する“デジタル通貨”です。
| 種類 | 発行者 | 価値保証 |
|---|---|---|
| ステーブルコイン | 民間企業・DAO | 法定通貨や資産を担保 |
| CBDC | 中央銀行 | 国家の信用(法定通貨) |
つまり、ステーブルコインは「民間のドル」、
CBDCは「政府のドル」という関係に近いと言えます。
💬 SNSでの意見
- 「ステーブルコインは“通貨の民営化”の第一歩」
- 「CBDCよりも早く広がってるのが面白い」
- 「国vsブロックチェーンの“信頼競争”が始まってる」
💡 まとめ:“誰が保証しているか”が最大の違い
通貨とステーブルコインの最大の違いは、
「信頼を担保する主体」です。
- 通貨=国家の信用で守られたお金
- ステーブルコイン=民間やブロックチェーンが設計した安定資産
どちらも“お金のように使える”けれど、
守ってくれるのが「国」か「企業」かという点が決定的な違い。
この構造を理解しておくと、
仮想通貨やデジタルマネーのニュースをより正確に読み解けるようになります。
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出典・参考:
金融庁:ステーブルコイン関連制度
IMF:ステーブルコインとCBDCの違い
WIRED Japan「ステーブルコインとCBDCの違い」
