慣用句

誤解されやすい言葉「なおざり」と「おざなり」の違いとは?

誤解されやすい言葉「なおざり」と「おざなり」の違いとは?

「なおざり」と「おざなり」、どちらも耳にすることがありますが、意味を正しく使い分けられていますか?
実はこの二つは混同されやすく、多くの人が誤って理解している日本語です。
今回は特に「なおざり」の本来の意味に焦点を当てつつ、「おざなり」との違いを解説します。

「なおざり」の本来の意味

「なおざり」とは、
「いい加減にして、そのまま放っておくこと」
を意味します。

つまり「やるべきことを怠けて放置する」「必要な対応をしないまま放っておく」といったニュアンスです。

使用例

  • 宿題をなおざりにして遊びに行く
  • 健康診断の結果をなおざりにする
  • 約束をなおざりにする

いずれも「対応すべきなのに放っておく」ケースを指します。

「おざなり」との違い

一方「おざなり」は、
「その場しのぎで適当にやること」
を意味します。

例えば、上司に指摘されたときに表面だけ取り繕う対応を「おざなりな返事」と言います。
「なおざり」は「放置」、「おざなり」は「手抜き」と覚えると区別しやすいです。

例文で比較

  • 報告をなおざりにした → 報告自体をしなかった
  • 報告をおざなりにした → 報告はしたが、内容が適当で不十分

日常生活での例

1. 学業

宿題や課題を「なおざり」にすれば成績が下がるのは当然です。
一方「おざなり」に提出すれば、形だけは出すものの評価は低いでしょう。

2. 職場

会議で決まったタスクを「なおざり」にする社員は信頼を失います。
逆に「おざなり」に対応する社員は、一応は動いているように見えても質が低いため、やはり評価されません。

3. 人間関係

相手との約束を「なおざり」にする=約束を無視して果たさない。
「おざなり」にする=会ったものの、気持ちがこもっていない。
どちらも信頼関係に悪影響を及ぼします。

まとめ

「なおざり」と「おざなり」は似ているようで意味が異なります。

・なおざり=放置(やるべきことをやらない)
・おざなり=手抜き(とりあえず形だけやる)

特に「なおざり」は「怠けて放っておく」強い否定的なニュアンスを持ちます。
使い分けを正しく理解すれば、会話や文章に説得力が増しますよ。