誤解されやすい言葉「気のおける」の本当の意味とは?
「彼は気のおける友人だ」と言われたら、あなたはどんな意味を思い浮かべますか?
多くの人は「信頼できる友人」「気を許せる関係」と解釈するかもしれません。
しかし実はこれは誤用で、本来の意味は逆なのです。
よくある誤解
「気のおける」を、
「気を遣わなくても良い」「気楽に接することができる」
という意味で使う人が多いです。
例えば…
「あの人とは気のおける仲だから、なんでも話せる」
という言い方は誤用にあたります。
本来の意味
正しい意味は、
「気を遣わなければならない」「遠慮が必要である」
です。
つまり「気のおける相手」とは「まだ十分に打ち解けていない相手」「礼儀を守る必要がある相手」を指すのです。
語源の背景
「気を置く」とは「気を配る」「遠慮する」という意味。
そのため「気のおける」=「気を配らなければならない」という解釈になります。
一方で、逆の「気が置けない」が「遠慮がいらない」「気楽に接せられる」という意味です。
この混同が誤用の大きな原因になっています。
日常生活での例
1. 学校や友人関係
クラス替え直後で、まだ親しくなれていない友人は「気のおける相手」と言えます。
気楽に話せる「気が置けない友人」とは正反対です。
2. 職場
新しい上司や取引先など、礼儀を欠かせない相手には「気を遣う」必要があります。
こうした存在が「気のおける人」です。
3. 公的な場面
初対面の人や目上の人と話すとき、自然と「気を置く」行動を取ります。
まさに「気のおける関係」と言えるでしょう。
ビジネスシーンでの注意
ビジネスメールやスピーチで「気のおける関係」と書いてしまうと、相手に「礼儀が必要な関係」という意味に伝わります。
もし「気楽に話せる関係」を伝えたいなら、正しくは「気が置けない関係」を使う必要があります。
まとめ
「気のおける」の本来の意味は、
「気を遣わなければならない、遠慮が必要な相手」です。
誤用として「信頼できる相手」という意味で使われることが多いですが、それは逆の「気が置けない」の意味。
正しい意味を押さえておけば、会話や文章での誤解を防ぐことができます。
