雑学

「叙述トリック」とは?ネットでの使われ方までわかりやすく解説

「叙述トリック」とは?ネットでの使われ方までわかりやすく解説

ミステリー小説のレビューやSNSでよく見かける言葉、
「叙述(じょじゅつ)トリック」

なんとなく「騙されるやつ」「意外な展開のこと」というイメージはあるけれど、
正確な意味やネットでの使われ方まで理解している人は意外と少ないもの。

この記事では、叙述トリックの意味・代表例・ネット文化での応用まで、
分かりやすくまとめて解説します。

💡 叙述トリックとは?

作者が文章の書き方(叙述)を利用して、読者に誤解させる仕掛けのこと。

ミステリー作品でよく使われる技法で、
“文章の構造を使って読者をミスリードする”のがポイントです。

たとえば──

  • 「彼」と書かれていた人物が実は「彼女」だった
  • 語り手が実は事件の犯人だった
  • 登場人物と読者が見ている時間軸が違う

こうした読者の思い込みを逆手に取るテクニックを指します。

📚 よくある叙述トリックのパターン

① 語り手が嘘をついている(騙し語り)

一人称視点で語っている人物が、実は真犯人だった…など。

② 性別・年齢・容姿をあえてぼかす

「彼」が実は女性、「子ども」だと思っていたら老人だった、など。

③ 時系列をずらして書く

読者が“同時進行”と思い込んで読んでいる別々の時間軸。

④ 特定の情報を伏せる(省略トリック)

読者が勝手に補完するクセを利用し、ミスリードを誘う。

⑤ 視点の入れ替え

視点が人物A → Bに変わっているのに、読者が気づかないように書く。

📖 有名作品での叙述トリック例(ネタバレなし)

  • 「十角館の殺人」── 語りの仕掛けが代表例
  • 「イニシエーション・ラブ」── 時系列を利用したトリック
  • 「葉桜の季節に君を想うということ」── “思い込み”を利用した展開

いずれも、叙述トリックを語る上で外せない名作です。

🌐 ネットでの「叙述トリック」の使われ方

ネットでは、本来の文学的意味から派生して、
「意図的に誤解させる文の書き方」という広い意味で使われています。

① SNSでの“わざと勘違いさせる文章”

例:
「今日、彼氏と別れました。
……妹が。」
(※最初の一行で誤解させ、オチでひっくり返す)

このような投稿が「叙述トリックwww」と呼ばれたりします。

② ラノベ・漫画感想での使用

「この作者、叙述トリック仕掛けてきた!」
「まんまと騙された」など。

③ まとめサイトやネタツイでの“文章マジック”

読者をミスリードさせる文章を総称して叙述トリック扱いされることも。

④ プチ炎上・誤解投稿にも使われる

ある出来事を途中まで書いて“悪い意味”に見せ、
後半で実は良い話だった、と展開するタイプ。

ネットでは「読者をあえて誤解させて笑いを取る技法」としての用法が多いです。

🧩 叙述トリック“っぽい”ネット文章の例

【例①】
「会社で怒られた……
後輩が。」

【例②】
「今日財布落とした。
拾って届けてくれた人、本当にありがとう。」
(最初は不幸な話→実は良い話)

【例③】
「浮気されました。
友達のカップルが。」
(ミスリード→関係なかったオチ)

こうした“意図的に誤読を誘う”文章が、
ネットでは叙述トリックと呼ばれます。

⚠️ ネットで使う際の注意点

  • 過度な誤解を生む書き方は炎上リスクあり
  • タイトルや冒頭で強い勘違いを誘うと誤解されやすい
  • 「本家の叙述トリック」と混同されやすい

あくまで“ネタとしての軽い使われ方”が中心です。

✨ まとめ:叙述トリックは“読者の思い込み”を利用した技法

・叙述トリック=文章の書き方で読者に誤解させる仕掛け
・ミステリー作品で多用される古典的技法
・ネットでは「オチのあるミスリード文章」全般を指すことが多い
・SNSでは笑い・意外性の演出として使われがち

本来の意味を知ると、SNSのちょっとした文章トリックも
より楽しめるようになります。


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