慣用句

誤解されやすい言葉「失笑」の本当の意味とは?

誤解されやすい言葉「失笑」の本当の意味とは?

SNSや会話で「失笑した」と書かれているのを見たことがあるでしょう。
多くの人は「笑いをこらえる」という意味で理解しているかもしれません。
しかし実はそれ、誤用なのです。
今回は「失笑」の本来の意味と、誤解が広まった背景を解説します。

よくある誤解

「失笑」を、
「笑いをこらえる」「あきれて笑う」
という意味で使ってしまう人が多くいます。

例えば…
「変な格好をしてきたので失笑をこらえた」
という言い方は、本来の意味からすると誤りです。

本来の意味

正しい意味は、
「こらえきれずに思わず吹き出して笑うこと」
です。

「失」には「失う」「うっかりする」という意味があり、
「笑いを失う」ではなく「笑いを抑えることに失敗して吹き出す」というニュアンスなのです。

由来

古語において「失う」は「うっかり~してしまう」という意味でも使われました。
「失言(うっかり言ってしまう)」と同じ使い方です。
したがって「失笑」も「つい笑ってしまう」というポジティブな笑いを表していたのです。

日常生活での例

1. 学校生活

授業中に友達が予想外の答えをしてしまい、クラス中が「失笑」した。
これは「思わず吹き出した」という意味で正しい使い方です。

2. 職場

会議で上司がジョークを言い、真面目な空気の中でつい「失笑」が漏れた。
これも本来のニュアンスに合っています。

3. 日常の出来事

子どものユニークな発言に、思わず「失笑」してしまった。
笑いを我慢できず、自然にこぼれる笑いのことです。

誤用が広まった理由

「失笑」を文字通りに「笑いを失う」と解釈してしまったことや、
「あきれ笑い」と混同されたことが原因で誤用が広まりました。
しかし辞書的にも本来は「こらえきれず吹き出す笑い」が正しい意味です。

まとめ

「失笑」の本来の意味は、
「思わず吹き出して笑うこと」です。

「笑いをこらえる」「あきれて笑う」という使い方は誤用。
とはいえ現代では誤解が一般化しているので、ビジネス文書などフォーマルな場では使い方に注意が必要です。

言葉の背景を知ることで、より正しく豊かな日本語表現ができるようになります。