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YouTubeの「オートダビング版」とは?──仕組み・使い方・注意点を徹底解説

YouTubeの「オートダビング版」とは?──仕組み・使い方・注意点を徹底解説

2024年末からYouTubeに導入された新機能「オートダビング版」。動画の説明欄やサムネイル横に表示されて気になった人も多いのではないでしょうか。この記事では、オートダビング版の仕組みや視聴方法、クリエイター側の設定、注意点までわかりやすく解説します。

オートダビング版とは?

オートダビング版とは、YouTubeがAIを使って動画に自動的に翻訳音声(吹き替え)を追加したものです。元の音声を認識してテキスト化し、それを他言語に翻訳したうえで機械音声として合成。視聴者は字幕ではなく吹き替え音声として楽しめるようになりました。

たとえば英語の動画に「オートダビング版(日本語)」がついていれば、動画の設定から日本語吹き替えで視聴することができます。

視聴者にとってのメリット

  • 海外の動画を「字幕なし」で理解できる
  • 再生中に音声トラックを切り替えられる(オリジナル音声/翻訳音声)
  • 基本的に無料で利用可能

字幕を読むのが苦手な人や、ラジオ的に「聞き流し」たい人にとってはかなり便利な機能です。

「有料なの?」という疑問について

オートダビング版と表示されていても、それ自体に料金はかかりません。通常の動画と同じように無料で再生できます。ただし、「メンバー限定 + オートダビング版」と記載されている場合は、その動画自体がメンバーシップ向けに限定公開されているため有料会員しか見られません。

クリエイター側の設定と注意点

動画投稿者(クリエイター)の立場では、YouTube Studioから以下の設定が可能です。

  • オートダビングをオン/オフにする
  • 公開前にAI生成音声を確認してから適用する
  • 特定の動画だけオフにする

現状はYouTubeパートナープログラムに参加している「知識・情報系」ジャンルのチャンネルを中心に適用されており、今後さらに拡大予定です。

オートダビングの限界

便利な一方で、以下のような課題もあります。

  • 声の抑揚や感情表現が乏しく、機械音声っぽさが残る
  • 翻訳の精度が100%ではないため、専門用語やジョークは不自然になることもある
  • 視聴者側では「完全にオフ」にすることはできず、毎回音声トラックを切り替える必要がある

つまり「海外動画の内容をざっくり理解するには十分だが、自然な吹き替えとして楽しむレベルにはまだ発展途上」といえます。

今後の展望

YouTubeはこの機能を段階的に拡大し、より多くのクリエイターが活用できるようにすると発表しています。AI音声の自然さも今後改善されていく見込みです。将来的には「世界中の動画を自分の母語でシームレスに視聴」できる時代が来るかもしれません。

まとめ

オートダビング版は、YouTubeが自動で生成する吹き替え音声機能です。視聴者は無料で利用でき、海外コンテンツへのアクセスが飛躍的に広がります。一方で、機械音声ならではの不自然さや翻訳精度の課題も残っています。今後の改善次第では、字幕文化を大きく変えるかもしれない注目機能といえるでしょう。


参考:YouTube ヘルプYouTube Japan 公式ブログDid2memo.net