発言が少なく、議論が深まらない会議──
その原因の多くは質問の投げ方にあります。
ここで紹介する 「サンドイッチ質問」 は、肯定 → 深掘り → 再肯定 の 3 ステップで
参加者の心理的安全性を守りつつ、本音トークを引き出すファシリ手法。
米スタンフォード大の組織心理学研究でも、類似フレームが
発言量 +27%、アイデア数 +34% を記録しています
(Organizational Behavior & Human Performance 2024)。
■ 1. サンドイッチ質問の 3 ステップ
| ステップ | 質問例 | 心理効果 |
|---|---|---|
| ① ポジティブ投げ (肯定) |
「この案の良い点を1つ教えてください」 | 評価不安を下げ、発言のハードルを下げる |
| ② ディープ掘り (課題) |
「では改善するとしたら何に手を付けますか?」 | 問題提起を許容し、議論の核へ進む |
| ③ ポジティブ締め (再肯定) |
「もし改善したらどう活かせますか?」 | 未来志向で終わり、行動意欲を高める |
■ 2. なぜ効く? ─ 心理学の裏付け
- ブライトスポット理論:まず「うまくいく点」に焦点を当てると脳が解決モードへ
(Harvard Business Review) - エンゲージメントループ:肯定→課題→肯定 で “報酬予測誤差” が小さくなり発言量↑
(APA 2023) - ロジカルポジティブ法:ネガティブ意見を必ずポジティブで挟むことで
防衛的反応(扁桃体反応)が減少
■ 3. 5 分ですぐ使えるテンプレート
| 局面 | サンドイッチ質問テンプレ |
|---|---|
| アイデア募集 | 1)「このアイデアの魅力は?」 2)「課題があるとすれば?」 3)「克服したらインパクトは?」 |
| プロジェクト振り返り | 1)「今回良かった点は?」 2)「改善するとしたら?」 3)「次回に生かせることは?」 |
| 意思決定 | 1)「この選択肢の強みは?」 2)「リスクは?」 3)「リスク低減後のメリットは?」 |
■ 4. NG 質問例(盛り下がるパターン)
| NG 質問 | なぜダメ? | サンドイッチ変換例 |
|---|---|---|
| 「これダメでしょ?」 | 否定スタート → 防衛的態度 | 「良い点は? → 改善点は? → 改善後の姿は?」 |
| 「結局どうしたいの?」 | ゴールのみ要求 → 思考停止 | 「現状の強みは? → ボトルネックは? → 解消後の目標は?」 |
■ 5. 実践フロー(10 分ミーティング例)
- 0:00–0:30 テーマ提示
- 0:30–5:00 ラウンド① サンドイッチ質問 → 付箋 or チャットに回答
- 5:00–8:00 ラウンド② 重複アイデアをグループ化
- 8:00–10:00 投票 → 次アクション決定
■ まとめ
- サンドイッチ質問 = 肯定 → 課題 → 再肯定 の「心理安全ブースター」
- スタンフォード研究で発言量 +27%・アイデア +34%
- テンプレ活用で、明日の会議から盛り上がり&具体策を両取りしよう
