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ChatGPTに漫才を書かせたらどこまで面白くなるか?
ChatGPTの進化が止まりません。文章生成だけでなく、詩や歌詞、セールストーク、ラップまで“言葉のあらゆる表現”をこなしてしまうこのAI。では、「漫才」はどうでしょうか?
笑いにはタイミング、文化、文脈、キャラクター…さまざまな要素が絡み合っています。それをAIはどこまで理解できるのか?今回は、ChatGPTに漫才を書かせてみるという、ちょっと無謀なチャレンジをしてみました。
■ 漫才を書かせるってどういうこと?
「ChatGPTに漫才を書かせる」とは、つまりAIにボケとツッコミで構成されたやりとりを自動生成させることです。
通常の文章とは違い、漫才はテンポ、リズム、空気感が非常に重要。たとえ言葉が面白くても「人間の会話として成り立つか?」という点が最大の難関です。
ChatGPTには以下のような指示を与えてみました:
「ボケとツッコミによる漫才を書いてください。テーマは“カフェでの注文ミス”。ツッコミは冷静、ボケは天然系でお願いします。」
■ AIが書いた漫才:一部抜粋
さて、実際に出力された漫才の一部を見てみましょう。テーマは「カフェでの注文ミス」です。
ボケ:あのさ、この前カフェ行ったんだけど、コーヒー頼んだのに出てきたのが味噌汁だったんだよね。
ツッコミ:なにその斬新なサービス!?コーヒー頼んだんだよね?ボケ:うん、はっきり「ホットコーヒーください」って言ったんだけどさ、出てきたのが具だくさん味噌汁だったの。しかもあさり入り。
ツッコミ:そこは情報多いな!朝の和食セットでも出されたのか?ボケ:店員さんに「これ、注文と違うかも」って言ったら、「今朝は味噌の気分だったんです」って。
ツッコミ:店員の気分で提供メニュー決めるなよ!お前の食堂か!ボケ:しかもその味噌汁、カップにラテアートされてたのよ。
ツッコミ:いやどうやって!?味噌汁にラテアートって、湯葉で絵描いてんの?ボケ:あと、スプーンじゃなくておたま出てきた。木のおたま。
ツッコミ:どこで食ってんだよ!それカフェじゃなくて漁師町の港食堂だろ!ボケ:で、さすがに帰ろうとしたら「お客様、デザートはこちらです」って、納豆巻き出てきたの。
ツッコミ:もう和食まっしぐらじゃねぇか!甘味ゼロのフルコースやめろ!ボケ:最終的に「本日のコーヒーはこちらです」って出されたのが…お吸い物だった。
ツッコミ:もう液体ならなんでもいいのかその店!?どうしてそんな店に入ったのよ!ボケ:だって看板に「Coffee & 和み」って書いてあって…
ツッコミ:それ“和み”の主張が強すぎるカフェな!完全に和食屋だわ!
……正直、思ってたよりちょっと面白い。ツッコミのテンポや会話の構造はしっかりしており、「漫才っぽい雰囲気」が感じられます。
■ 笑いのツボを理解しているのか?
ChatGPTは「人間の感情や空気」を直接は理解していません。あくまで過去のテキストパターンを学習し、それをベースに似た文章を出しているだけです。
しかし驚くべきことに、“漫才っぽさ”はかなり再現されています。理由は以下の2つ:
- 過去の「漫才台本」的な会話形式を大量に学習している
- 「ボケ→ツッコミ」という構造パターンを認識して再現できる
つまり、AIは「人間の感情を理解する」のではなく、「人間がウケた“形”を模倣している」のです。
■ 調整次第ではクオリティも上がる
最初の出力は多少ズレていても、指示を繰り返すことでかなり質が上がっていきます。
たとえば:
「ツッコミにもっと勢いをつけて」「ボケにもう少し理不尽さを加えて」「掛け合いのテンポを早くして」
…など細かく調整すれば、3〜5ラリーで“それっぽい漫才台本”が完成します。さらに「関西弁で」や「〇〇風で」などの条件指定も可能です。
■ 人間には勝てない“違和感”も
ただし、いくら構成が整っていても“人間の機微”や“間の面白さ”までは再現できません。
- 同じツッコミが何度も繰り返される
- ボケがちょっと理屈っぽくなる
- 想定される“間”が文章上で伝わりにくい
これらは現時点のChatGPTでは避けにくい“機械っぽさ”と言えるでしょう。あくまでネタの「たたき台」や「構成案」として活用するのがベストです。
■ 実際に使える?YouTube・ショート動画に最適
このAI漫才、ただのお遊びに見えますが、ショート動画やスキット、VTuber台本としての応用余地は大きいです。
- YouTubeでの「AI作成ネタ vs 人間ネタ」対決
- TikTokでの音声合成によるコント動画
- VTuberがChatGPTと漫才する“掛け合い企画”
コンテンツの「構成」に悩んでいる人にとって、ChatGPTは強力な相棒になってくれるはずです。
まとめ:ChatGPTの漫才は“そこそこ面白い”けど、まだ人間には敵わない
ChatGPTに漫才を書かせる試みは、驚くほど精度が高く、かつ自由度の高い結果を得られます。特にテーマ・キャラクター・構成の自動生成には目を見張るものがあり、ゼロから自分で考えるより圧倒的に早いのは間違いありません。
ただし、「感情」や「間」、「人間らしい暴走感」といった部分では、やはり本物の芸人の凄さを再認識する結果に。
それでも、ネタ作りのアイデア出し、YouTube台本、ショートネタなど、“補助ツール”としてはかなり使えるのが今回の結論です。
あなたもぜひ一度、ChatGPTに「漫才を書いて」と頼んでみてはいかがでしょうか? 思わぬ爆笑が生まれるかもしれませんよ。
